コラム

飛行申請の簡素化

ドローンの国家資格を取得すると、これまで必要だった以下のような飛行許可申請が不要になります。

• DID地区上空飛行
• 目視外飛行（補助者なし）
• 夜間飛行
• 人や物から30m未満の飛行

つまり、飛行場所や時間帯を選ばずにドローン飛行が可能になり、申請手続きの手間が省けるというメリットがあります。

ただし、以下の飛行形態については、引き続き国土交通省への事前申請が必要です。

• 空港周辺の飛行
• 高度150m以上の飛行
• イベント上空の飛行
• 危険物の輸送
• 物件の投下

高い信頼性

国家資格を取得することで、操縦者としての信頼性が高まります。これは、国が審査を行い、一定の技能と知識があることを証明しているためです。

例えば、以下のようなメリットがあります。

• 安全運航が期待できる
• プロ意識を持った操縦
• 法令遵守への意識が高い

つまり、ドローンの操縦に関して「技術力」と「倫理観」の両面で、国家資格保有者は高い水準にあることが保証されています。

このため、国家資格保有者に依頼すれば、安心・安全な飛行が実現できると期待できるのです。

就業範囲の拡大

国家資格を取得すると、従来は許可が必要だった目視外飛行や夜間飛行、人や建造物への接近飛行が可能になり、就業範囲が大幅に広がります。

例えば、夜間の建設現場の監視業務や橋梁・送電線など、人の近くでの点検業務に従事できるようになります。さらに将来的には、ドローンを使った配送業務への参入も見込めます。

このように、国家資格の取得によってドローン活用の選択肢が格段に増え、新たなビジネスチャンスが広がるでしょう。

空撮（撮影）業務

国家資格を取得することで、様々な場所での空撮や映像撮影業務に従事できるようになります。

• 建設現場の進捗管理
• 不動産物件の上空撮影
• イベント会場の上空撮影
• ドラマや映画のロケ撮影

など

特に一等資格を取得することで、有人地帯における目視外飛行での空撮が補助者なしで可能となります。これにより、広範な場所での空撮業務に携われるようになります。ただし、実際の飛行には対象機体が国土交通省の機体認証を受けていることが前提条件です。

点検・調査・観測業務

架線・橋梁・ビル・風車などの点検やインフラ調査、測量や災害調査などの観測業務では、ドローンの活用が広がっています。

資格を持つことで、発注元から信頼を得やすくなり、仕事の受注機会が増えます。また、発注元の要望を的確に把握し、適切な操縦ができることが期待されます。

ドローン活用事例

• 点検業務：橋梁点検、建物外壁点検、送電線点検
• 調査業務：測量調査、土地調査、災害調査
• 観測業務：環境観測、気象観測

より高度な飛行技術や知識が求められる業務ほど、一等無人航空機操縦士の資格が必要とされる傾向にあります。

インストラクター業務

ドローン国家資格を取得すれば、ドローン操縦のインストラクターとして活躍できます。

インストラクターには主に以下の2つの業務があります。

操縦資格取得のための講習指導

ドローン国家資格を取得したい人に対し、以下の講習を行います。

• 操縦技能の習得
• 航空法規や気象などの知識教育

企業や自治体向けの社員研修

ドローンを業務で使用したい企業や自治体向けに、以下の研修を行います。

• ドローン操縦研修
• ドローン関連法規研修

これらの講習指導やインストラクター業務を行うためには、高度な操縦技能と専門知識が求められます。国家資格の取得はインストラクター業務に従事するうえで、必要不可欠な要件となります。

二等資格がおすすめの場合

初めてドローンを学ぶ方

二等資格は、ドローンに関する基本的な知識や技術を総合的に習得できるため、初学者に最適です。

ビジネスでの活用を考えている方

二等資格の取得はビジネスの幅を広げます。この資格を持つことで操作技術や基礎知識も充実し、ビジネスチャンスを増やすことができます。国家資格として客観的な評価基準があり、独学で陥りがちな技術や知識の偏りを防ぎ、多様な業務に役立てることができるのも魅力です。

国家資格を取得したい方

ドローンの資格には多くの種類がありますが、法律上必須な資格ではありません。しかし、依頼者が「国家資格保有者」を条件にするケースも増えるかもしれません。信頼性のある資格を保有しておきたい方にとって、二等資格の取得は大いにおすすめです。

一等資格がおすすめの場合

ドローンの知識や経験を深めたい方

一等資格は、二等資格で学んだ基本的な知識や技術に加え、応用的な分野の理解と実践が求められます。そのため、より高度な知識や技術を習得したい方におすすめです。

幅広いビジネス分野での活用を考えている方

二等資格を取得するとレベル1～3の範囲のビジネスが可能ですが、一等資格を取得すれば、さらにレベル4（有人地帯での補助者なし目視外飛行）も可能になります。

ドローン業界は高速に進化しており、業界リーダーやパイオニアとして前進するためには、最高クラスの知識と技術が必要です。二等資格も業務で活用するには十分な資格ですが、この一等資格は、ドローンビジネスの最前線で活躍できる資格といえます。